料理レシピ

利々蔵ショートストーリー 『目利きの利々蔵【口福な日々】』に寄せて

皆さま、こんにちは。

私たち東京築地目利き協会には、『利々蔵』という、魚河岸一の目利きを目指すマスコットキャラクターがおります。

この度、魚がしコンシェルジュでもある小説家の高田在子先生の手により、この利々蔵に息が吹き込まれ、【まんぷく旅籠 朝日屋シリーズ3巻】に登場することになります!

また、第3巻の出版に合わせ、特別編『目利きの利々蔵【口福な日々】』をHP展開させていただけることになりました。

共に24日からの発売・公開となります。とても楽しみです♪

 さて。小説の中の登場人物、“ちはる”

『日本橋にある旅籠、朝日屋の女料理人。よく利く鼻と持ち前の根性で、客のためにさまざまな料理を生み出しており、この魚河岸でも顔を知られている。』(利々蔵ショートストーリーより引用)

 そんなちはるが、旅人のために酒の肴になる、朝日屋ならではの鰹の食べ方を「利々蔵」との会話の中から発案します。

 ご存じ、初物好きの江戸っ子が夢中になった初鰹。当時の食べ方といえば、その多くは辛子と煎り酒、辛子酢、辛子味噌に辛子醤油…と辛子が付きものでした。

朝日屋の“ちはる”が考案する初鰹の食べ方…。

「江戸時代に身近な調味料を使ったちょっと変わった食べ方」をするとしたら?と、高田先生。そこで私が浮かべた調味料は、日頃から愛用している塩麹です。

江戸時代に今の塩麹と似た使い方をしたものがあったかどうかは、はっきりとはわかっていませんが、米と麹と塩を合わせるレシピは甘酒漬けとして江戸時代からあるようで、ピン!とくるのが、江戸時代から今も人気の“べったら漬け”ですね。生の大根を塩で下漬けした後に米麹や甘酒につける製法です。

当時は冷蔵庫がなかったですし、傷みの早い鰹を次の日にもおいしく食べる工夫はされていたことでしょう。鰹に塩を加えた甘酒を絡めて食べるがあっても不自然ではないのではと妄想、提案をさせていただきました。こちらも楽しみになさってください。

 私は高田先生の活き活きとした描写がとても好きです。まな板の上にのせられた魚の状態や鰹の血合いを少し残すことのこだわり部分、また、威勢のよい利々蔵の話し口は豊洲魚河岸の喧騒を思い浮かべたり…など、想像力を掻き立てられワクワクします。

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皆さま!朝日屋シリーズの中の利々蔵、そして、東京築地目利き協会の魚食推進活動を引き続き応援いただきますようどうぞよろしくお願いいたします!

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投稿者:東京築地目利き協会理事/魚と野菜のマリアージュプランナー

荒川あやこ